避難トンネルを歩く 東海北陸道・飛騨トンネル


ドライブ中の後部座席────。青い空を見て、緑の山々を眺めて、景色を存分に楽しんでいたら突然ぱっと視界が暗くなり、オレンジ色の照明が単調なリズムで目の前を横切って行く。なーんだトンネルかぁ・・・。と、いつも何気なーく通る高速道路のトンネル。

しかしそのトンネルの単調な壁のさらに奥には、
隠されたもうひとつのトンネルがあったのです────。

それは避難トンネルと呼ばれます。

きょうは東海北陸自動車道の全線開通記念のイベントで公開されていた飛騨トンネルの避難トンネルを歩きます。

 
避難トンネル 東海北陸自動車道 飛騨トンネル
はじめに申し上げておきますと、
きょうの写真は名古屋圏史上稀に見る無彩色&暗さ勢ぞろいです。

さて、ドライバーの皆さんは本線走行中にお気づきだと思いますが、ある程度の長さがあるトンネルでは一定の距離ごとに待避所がありますよね。待避所というのは道路の脇にある、車が一台駐車できるくらいのスペースのことです。長距離トンネルではあの待避所に横穴があって避難トンネルへの連絡通路があります。

避難トンネル 東海北陸自動車道 飛騨トンネル
そこは万が一の避難用に設けられた避難トンネル(避難坑とも)。
本線からの連絡通路を抜け避難トンネルへ出ると、正面に一枚の看板。これを見るときは万が一の場合であるため、現在位置やそもそもここは何なのかということを的確に冷静に知ることができるように書いてあります。

避難トンネル 東海北陸自動車道 飛騨トンネル
上を見上げるとなんだかよく分からぬケーブル多数。
幹線白川2号線-1・・・とかなんとかラベルが付けられています。

避難トンネル 東海北陸自動車道 飛騨トンネル
そしてこの避難トンネルには、避難路以外にも大きな役目があります。
この避難トンネルは本線の大きなトンネル(本坑)をよりも先に掘り進められ(そのため先進坑と呼ばれます)、地質の把握や本坑掘削時の水抜きが行なわれます。さらに、一見狭そうに見えるこの避難トンネルですが、実は車も通れる幅があります。といっても一般車両を通すためではなく、救急車や消防車といった緊急車両が通行できるように、とのことです。

一寸先は、とまでは行かなくても、ちょっと遠くは闇に包まれているくらいの暗さで、湿度もかなり高め。先ほどまで居たただでさえ涼しい本線よりもさらに体感温度は低いです。
こりゃ半袖ではかなり寒いですね。

避難トンネル 東海北陸自動車道 飛騨トンネル
しばらく歩いていくと、別の連絡通路にたどり着きました。
ミセスさいが横で寒がっているので、そろそろ本線へと戻ることとしましょう。
ちなみに、連絡通路の途中の壁に見られる光は、非常電話です。

ふむ。今回の飛騨トンネルのイベント、普段はなかなか見ることができないものがじーっくりと見られて、とても満足なイベントでした。
未開通区間だった飛騨清見インターチェンジ白川郷インターチェンジ間が開通し、東海北陸自動車道が全通を迎えるのは2008年7月5日、まもなくです。

飛騨トンネル本線(本坑)のウォーキングのようすはこちら
  東海北陸道 開通前の飛騨トンネルを散策!(2008年6月23日の記事)

4件のコメントがあります
ナイトーさんのコメント:

羨ましすぎる…。
避難経路の案内板サイコー。

はる。さんのコメント:

はじめまして(*^-^*)
いつも楽しく拝見してます~っ♪

前回の飛騨TN本坑の記事を見て、
「おぉっ♪」ってワクワクしてたのですが。。。

今日の記事を見てビックリ!

私、照明メーカーで働いてまして。
こちらの避難坑&避難連絡坑の照明、実は私が設置間隔を決めました!
(※本坑は別の照明メーカーさんが担当してます。)

照明メーカーさんでもないのに、
こういうものに関心持っていただけて、感激ですっ!

こんな人知れずひっそり存在している物にも、
全て人の手が加わっているんですよね。。。

取り上げていただいて、どうもありがとうございます<(__)>

管理人さいさんのコメント:

>>ナイトーさん
ふふふ、なかなか見られない貴重品ですよ・・・。

管理人さいさんのコメント:

>>はる。さん
おー、なんと避難坑の照明の配置を計算された方ですか! ということはあの避難坑の暗すぎず明るすぎず絶妙な雰囲気もはる。さんが設定されたものなのですね! このたびは大変お疲れ様でした!
普段は人目につかない避難坑ですが、人々を安全に避難させるという重要な任務を課されたところです。本坑と同じように、あるいはそれ以上に重要な箇所です。そして飛騨トンネルのような長大トンネルにはものすごい多くの人の手が加わっているんですね。それに関わっていらっしゃったはる。さんからコメントいただけたのが、とても嬉しいです。やー、トンネルウォーク参加してよかったです。